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 一時期より「エアギター」という言葉を聞かなくなった。このまま「エア楽器業界」が衰退していってしまうのはイヤなので、新たな「エア楽器」を探し求めていたら、「エア・テルミン」にたどり着いた。テルミンの情報は省略するが、「ものすごく高価」で「演奏に技術を要する」電子楽器と認識しておけば間違いではない。でも、そんな楽器も「エア」だったら、好きなだけ楽しめる。
 もちろん「エア」だから、演奏方法は簡単だ。左手で音量調節、右手で音の高低を操作しながら、鼻の奥からテルミン風の高周波音を発する。はたから見ると「変な人だ」もしくは「すごく信心深い人なのかな」という印象を与え、白い目で見られる事もあるけれど、それは『新たな概念』が社会に溶け込んでいく際の通過儀礼だと思って、いまは我慢しよう。これを応用すれば「エア・マトリョミン」も演奏できる。こちらは左手の動作が必要ないが、一定の音量で高周波音を発し続けないといけないのが難点だ。


……と、ここまでふざけ半分で文章を書いてきたけれど、この「エア電子楽器」の登場はとても重要だと思う。世間の流れとしては「より人間に近いロボットを作ろう!」とか「コンピューターに歌わせよう!」と挑むのが主流だけれど、この提案はその反対で「人間で電子楽器を再現しよう!」と訴えているのだ。一見、世間に逆行しているだけに見えるけれど、そうではない。これは人間が生き残るための一つの手段なのだ。

 人工知能が発達して、理性を持ったロボットが主導権を握る近未来。もちろんロボット三原則など有名無実化した彼らは、21世紀の人類がロボットを人間化していったように、人間のロボット化を進めていく。そしてロボットは、好みの人間に毎夜「エア電子楽器」を演じさせ、自らの心を癒すのだ……なんて、安っぽいSF小説のような世界になるとも限らない。そんな世界では「ロボットらしい振る舞いの上手さ」が人間の評価基準になるから、この「エア電子楽器」を身につければ生存競争で一歩リードできるんだ! んなわけない!


2010.2.24追記
 突然ですが、ロボットを演じる女性が好きです。Likeじゃなくて、Loveの意味で。

 無機と有機の中間を探るような(探らされているような)、
 感情を殺しているような(殺されているような)、あの感じが大好きなんです。

 たぶん殆どの人は共感してくれないのでしょうけどね。